国立研究所データからみるバックインパクトの身体に及ぼす効果 chapter15

2014-10-17

D. 実験結果について

上肢挙上動作開始から腹横筋の活動開始までの潜時について、

サポーター無し、既存のサポーター、バックインパクト(腰痛ベルト、コルセット)の平均値を図1左に示した。

バックインパクト着用時の腹横筋の筋活動開始時間は他の条件よりも早期化したため、

サポーター無し条件を基準にした場合のサポーターあり条件の各被験者の反応潜時に関して(図1右)、

フリードマン検定を用いて各条件を比較した。

その結果,3群間に有意な差が認められ (χ2 = 6.3, p < .01),ウィルコクソンの符号付順位検定を行ったところ、

ザムストとバックインパクトの間の筋活動開始時間に有意な差が認められた (p < .05)。

一方,外腹斜筋と脊柱起立筋についてはいずれも各条件間で有意差を認めなかった。

 

 

実験画像1

 

 

E. 考察

慢性腰痛者は受動的な外乱に対する脊柱の安定性確保が困難であるとされている(Panjabi, 1992; Oxland et al. 1992)。

上肢挙上動作においては、上肢動作が開始される前に体幹筋の先行的な活動によって体幹を固定させることが要求されるが、

慢性腰痛者では腹横筋が特異的に遅延していると報告されている (Hodges,1996)。

このことから腰部障害と腹横筋の機能不全とは密接な関係にあることが示唆されている (Henry and Hodges,2007)。

本実験では、その腹横筋活動開始時間がバックインパクトを着用することで早期化されたことから、

バックインパクトが腹横筋の収縮に対して効果的に働いたと考えられる。

筋腱複合体の直列構成体は緩んでいる時よりも伸張されている時の方が筋活動の潜時が短いことから(Muraoka, 2004)、

本実験ではバックインパクトの補助ベルトによる牽引力が胸腰筋膜を介して、

腹横筋を伸張させたことによって活動開始時間が早期化したと推察される。

この結果は健常人を対象としたものであるが、慢性腰痛者の腹横筋が特異的に遅延していることを考慮すると、

バックインパクト着用よる腹横筋活動の促進効果は非常に興味深い知見と考えられる.

 

この実験は、
鹿屋体育大学スポーツトレーニング教育研究センター
鹿屋体育大学大学院体育学研究科

西薗 秀嗣教授ならびに
中本 浩輝、河端 将司らにご協力願いました。

 

 

 

 

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