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国立研究所データからみるバックインパクトの身体に及ぼす効果 chapter32014-06-23
新型腰痛ベルト(コルセット)の効果を探る。
脊柱の安定性の促進は腰痛へ有益であるという見解から(例えば,Saal & Saal, 1989), 体幹の筋力を向上させて脊椎の安定を図る腹筋運動や腰部から腹部にかけてベルトを巻くことで、 体幹を圧迫し脊椎を安定させる腰痛ベルトが腰痛治療として推奨されている。
しかし,腰痛患者は体勢が崩れた場合に姿勢保持に関わる筋の反応が健常者よりも遅延すること、 慢性腰痛者では脊柱起立筋の持久力が低下していること (Ng & Richardson, 1996; Umezu et al., 1998) などが報告されており、 腰痛のサポートには、筋力向上や腰痛ベルトによる脊柱の安定性向上だけでなく、 筋持久力や筋の適切なコーディネートといった機能的なサポートも必要になると考えられる。
今回の新製品バックインパクトは、以前の腰部をがっちりと機械的に固定するものとは対照的に、 体幹,特に腹部への圧迫が従来の腰痛ベルトやコルセットに比べ非常に少ない。
腹腔内圧を高めることは脊柱起立筋の伸展を促すことから脊柱の安定性確保に必要であるが、 McGill & Norman (1987) は腰部ベルトによって腹腔内圧をあげることが腰部圧迫負荷の増加を引き起こし、 結果として脊柱負荷を増加するとしている。
つまり、過度の腹部圧迫による脊柱への負荷は脊柱起立筋の疲弊を生じるが、 新製品(腰痛ベルトバックインパクト)のような適度な腹部圧迫の場合は筋の疲弊を避け持久力を高めることが可能と考えられる。
また、新製品(腰痛ベルトバックインパクト)では、 姿勢保持や運動において脊柱起立筋と協調的に働く腹横筋などの締め付けが強調されている。
腹横筋を締め,適度な緊張を保たせることは、脊柱起立筋との正しいコーディネートを促進する可能性がある。
以上から考えた場合、以前のメカニカルな補助を印象とする腰痛ベルトに比べ、 新製品はファンクショナルな補助を促進するように思われる。
そこで、今回の実験では、腰痛に関わるファンクショナルな補助について、 筋持久力や筋のコーディネート (姿勢保持) といった側面から 新型腰痛ベルトと従来型腰痛ベルトの効果を比較する。
この実験は、 西薗 秀嗣教授ならびに
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